コーポレート・インフォメーション・ファクトリー
―企業情報生態系の構築と管理
企業活動の環境との情報のやりとりを企業内の情報システムと結びつけて「情報生態系」とし、その生態系ではコーポレート・インフォメーション・ファクトリー(CIF)が不可欠であることや、CIFの構成要素と構造、構築と管理などについて体系的に解説。理論家でありながら実務で多くのシステムのコンサルティングを手がけているビル・インモンの経験知の詰まった書である。
書籍データ
発行年月 | 1999年5月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 248ページ |
定価 | 4,180円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-73450-3 |
概要
本書では、企業活動の環境との情報のやりとりを企業内の情報システムと結びつけて「情報生態系」が述べられている。そして、その生態系ではコーポレート・インフォメーション・ファクトリー(CIF)が不可欠であることや、CIFの構成要素と構造、構築と管理などについて体系的に書かれている。理論家でありながら実務で多くのシステムのコンサルティングを手がけている著者の経験知の詰まった書でもある。たいへん平易に書かれており、情報システムに詳しくない人でも十分読めるが、訳者として最も読んでほしいのは情報システム担当の役員や情報システム部の人々である。この間、情報システムを巡る環境は激変し、要求も可能なソルーションも拡張の一途であろう。この混沌とした現実に本書は希望の光となるかもしれない。
本書は、MIS、DSS、SISから最近のSCM(供給連鎖管理)までのような「流行コンセプト」の書ではない。企業の情報システムが企業の各ユ―ザ、各レベルで役に立ちかつ統合化された情報システムであるための「グランドデザイン」を指し示しているのが本書である。アーキテクチャの書だからといっても、むだな部分はほとんどない。たとえば、データ量が少ないのでシステム上無視されてきた「参照データ」(基準値のようなもの)や「メタデータ」をどうCIFで扱うべきか具体的に記述されている。現実のシステム構築を踏まえた実務書でもある。(「訳者まえがき」より)
目次
[1]情報生態系の創造
1.1 情報生態系の簡潔な定義
1.2 ビジネスの景観の転換
1.3 コーポレート・インフォメーション・ファクトリー
1.4 人員とプロセス
1.5 要 約
[2]コーポレート・インフォメーション・ファクトリーの導入
2.1 CIF内のデータ
2.2 CIFの諸類型
2.3 業務処理とDSS処理
2.4 CIFにおけるレポーティング
2.5 CIFのユーザ
2.6 集中か分散か
2.7 データのモデリングとCIF
2.8 CIFへの移行
2.9 要 約
[3]データウェアハウス要素
3.1 データウェアハウスとは何か
3.2 データウェアハウスの管理
3.3 データウェアハウスの規模の比較
3.4 データウェアハウスからのデータの入出力
3.5 データウェアハウス内のデータ
3.6 ウェアハウス内のデータ処理
3.7 技術的課題への対応
3.8 要 約
[4]データマート要素
4.1 データマートとは何か
4.2 データウェアハウスのデータマートへのインタフェース
4.3 データマートの異なる形態
4.4 スタースキーマとデータマート
4.5 データマートでの処理
4.6 1次データ、2次データ
4.7 メタデータ
4.8 要 約
[5]オペレーショナル・データストア要素
5.1 オペレーショナル・データストアとは何か
5.2 ODSの入出力
5.3 ODSの異なる分類
5.4 ダイナミック・サマリデータ
5.5 スタティック・サマリデータ
5.6 ODSワークロード
5.7 異なる処理のウィンドウ
5.8 ODSでの外部データ
5.9 要 約
[6]統合/変換レイヤ要素
6.1 I&Tレイヤとは何か
6.2 インタフェースの入力と出力
6.3 複雑なI&Tインタフェース
6.4 データモデルの役割
6.5 メタデータの作成
6.6 I&Tインタフェースでの処理
6.7 複数の情報源
6.8 リフレッシュメントのソースとしてのログテープ
6.9 プラットフォームの変更
6.10 デフォルト値
6.11 要 約
[7]アプリケーション要素
7.1 時代遅れのアプリケーション
7.2 孤立したアプリケーション
7.3 アプリケーションの応答時間
7.4 孤立状態からの移行
7.5 外部データ/メタデータとアプリケーション
7.6 アプリケーション環境へ(から)のデータの提供
7.7 要 約
[8]インターネットとイントラネット要素
8.1 通信に関する問題
8.2 通信組織のユーザは誰か
8.3 要 約
[9]メタデータ要素
9.1 メタデータとは何か
9.2 メタデータ相互の不一致
9.3 レコードシステム
9.4 バージョン付きのメタデータ
9.5 メタデータの捕捉
9.6 メタプロセス情報
9.7 要 約
[10]コーポレート・インフォメーション・ファクトリーの類型
10.1 データマートとデータウェアハウスのどちらを先に構築するべきか
10.2 データウェアハウスとODSとの結合
10.3 要 約
[11]コーポレート・インフォメーション・ファクトリーの構築
11.1 戦略的な計画
11.2 戦略的な行動
11.3 開発のライフサイクル
11.4 様々な組織ユニットの管理
11.5 データベースの配置
11.6 様々なハードウェアプラットホーム
11.7 情報の表示
11.8 要 約
[12]コーポレート・インフォメーション・ファクトリーの管理
12.1 稼働中の管理―アプリケーション
12.2 稼働中の管理―統合/変換レイヤ
12.3 稼働中の管理―ODS
12.4 稼働中の管理―データウェアハウス
12.5 稼働中の管理―データマート
12.6 稼働中の管理―インターネットとイントラネット
12.7 CIFの監視
12.8 CIFのなかのセキュリティ
12.9 アーカイブの処理
12.10 要 約
12.11 最後に