Excelでしっかり学ぶデータ分析

石丸清登 著

データ分析をはじめて学ぶ学生、社会人を対象に、Excelを用いて、自信を持ってデータ分析ができるようになるように、分析手法の理論と実践方法をしっかり丁寧に解説する。

書籍データ

発行年月 2010年5月
判型 A5
ページ数 240ページ
定価 2,860円(税込)
ISBNコード 978-4-303-73095-6

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概要

最近の計算機環境のもとでデータ分析を行うには、データ分析用アプリケーションの扱い方、確率・統計学の知識を有することが必要要件となる。このことは、誰しもが認めることであり、この2つを効率よく習得できることが求められている。

通常、データ分析は、アプリケーションが提示する機能の範囲内で行うことになり、細かな機能変更はできない。機能変更を可能とするような柔軟性を持つアプリケーションもあるが、プログラミングの基礎知識を必要とする場合が多い。また、アプリケーションの販売価格を考慮するならば、誰でも、何処でも実践的なデータ分析手法の学習ができるわけではない。このように、データ分析を学ぼうとする初心者は、いくつもの障害を乗り越えなければならない。

本書は、これらの障害が比較的少ない、今では、誰でも、何処でも利用が容易な表計算ソフトであるExcelを使って、データ分析の理論とその実践方法の習得を同時並行的に行うことを意図している。

各章の構成は、次のようになっている。まず、データ分析の基本的な考え方の説明を行い、次に、その分析を実行するための「Excel操作」を記述している。データ分析の詳細な理論的な背景は、「Note」で解説している。したがって、データ分析のHow Toのみに興味ある者は「Excel操作」だけを、基本的な理論に興味ある者は「Excel操作」の前に記述した説明を読めばよい。時間があれば、データ分析の理論的な側面を習得するために、「Note」を読むことを勧める。各章の依存関係は特に持たせていないが、データ分析が全くの初心者であれば、第1章「記述統計」と第2章「標本調査」をまず読み、それから、他の章へと進めばよい。Excelに関する記述はExcel 2003(Windows版)をもとにしているが、グラフ作成に関することを除けば、Excel 2007(Windows版)にも適用できる。

本書を理解するには、Excelの基本操作と関数の使い方、理論的な理解に必要な行列とベクトルの数学的記法、高校程度の確率・統計、そして、大学初年程度の行列・微分・積分・テーラー展開の初歩的な知識が必要である。(「はじめに」より抜粋)

目次

第1章 記述統計
     1.1 統計の役割
     1.2 データの分布状態の把握
     1.3 分布状態の定量的把握
     1.4 Excelの分析ツールによる基本記述統計量

第2章 標本調査
     2.1 集団の代表的統計量
     2.2 正規母集団の統計的推定
     2.3 正規母集団に関する検定
     2.4 正規母集団の比較
     2.5 正規性の検定

第3章 相関係数と回帰分析
     3.1 散布図
     3.2 相関係数
     3.3 単回帰分析
     3.4 重回帰分析
     3.5 カテゴリ変量を説明変数とする回帰分析

第4章 判別分析
     4.1 重回帰分析による2群データ判別
     4.2 線形判別器
     4.3 ロジスティック回帰による2群判別

第5章 分散分析
     5.1 分散分析とは?
     5.2 1元配置分散分析
     5.3 2元配置分散分析
     5.4 回帰分析による分散分析

第6章 比率の検定
     6.1 母比率の検定
     6.2 母比率分布の検定(適合度の検定)
     6.3 母比率の差の検定

第7章 関連性の検定
     7.1 独立性の検定
     7.2 適合度の検定と独立性の検定
     7.3 2変量の関連性指標
     7.4 ロジスティック回帰による2群の比較

第8章 データ包絡分析
     8.1 データ包絡分析とは?
     8.2 データ包絡分析例