ハーバータグボート
―性能・操船・実務
操船技術の研鑽と日常業務の向上・発展への願いが込められた一冊。ハーバータグボートの特性や、その性能を活かした曳航作業などの特殊な操船技術を、基本から実務レベルまで豊富な写真と図を用いて徹底解説。現場における技術の研鑽と伝承の一助になればと、著者の長年にわたる現場経験を余すところなく著述した。巻末に「Zペラ」・「レックスペラ」・「シングルレバー式」・「複合レバー式」の各操作に対する作動舵角と船体運動の基本例を、図表にして収録。
書籍データ
発行年月 | 2011年10月 |
判型 | B5 |
ページ数 | 112ページ |
定価 | 2,750円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-22260-4 |
チラシ/注文書はこちら
目次
序 章 港とタグボート
《タグボートの趨勢》
《主機関ならびに装備機器の性能向上と進化》
《作業の形態と運航定員数の推移》
1 船橋においては
2 本船操船者とタグボート相互の意思の伝達方法は
3 機関室においては
4 甲板作業においては
第一章 乗船実務一般
《日常業務》
1 船長ならびに操船実務者として
2 機関長ならびに実務者として
3 タグボート乗組員(甲機共通)として
《単独航走時の一般的注意事項》
1 港内航走
2 港外航走
《定繋場所以外での作業待ち待機の注意事項》
1 安易な待機場所の選択は行わない
2 無線の傍受、入出港船の動静監視等に職制を問わず常時留意する
第二章 船体および設備機器
《曳船の標準的な性能》
1 船体構造と外観
2 運動性能
3 強力、高出力
4 防災対応機能
《一般的設備機器と性能》
1 甲板機器
2 船橋内航海用機器
3 機関室外機器
4 その他
第三章 推進機器概要
《推進機器》
1 推進機器の変遷
2 旋回式推進機器
《遠隔操縦装置》
1 Zペラ
2 レックスペラ
3 シングルレバー式
4 複合レバー式
《操船制御機器》
1 主機関制御機器の概要
2 操舵装置と作動性能
第四章 基本操作(遠隔操縦と船体運動)
《停止状態》
《前進》
1 操舵レバー操船
2 操舵ハンドル操船
3 前進旋回
《後進》
1 操舵レバー操船
2 操舵ハンドル操船
3 後進回頭
《横移動》
1 右移動
2 左移動
《その場旋回》
1 右旋回
2 左旋回
《斜航前進》
1 右舷側斜前進
2 左舷側斜前進
《斜航後進》
1 右舷側斜後進
2 左舷側斜後進
《行脚制動》
1 前進行脚制動
2 後進行脚制動
第五章 操船実務
《自船の離岸》
1 初動と離岸
2 離岸
3 僚船の繋ぎ替え
《自船の着岸繋留》
1 繋留場所に接近
2 操作舵角と機関使用
第六章 作業実務
《入港作業》
1 船首作業
2 船尾作業
《出港作業》
1 船首作業
2 船尾作業
《前進曳き作業(出港あるいは曳航)》
1 船尾曳索繋止機具の名称
2 曳索繋止機具の設置位置
3 被曳船との関係
4 出港作業
5 港外曳航作業
《海事作業》
1 基本対応
2 業務一般
《便乗者の送迎と乗下船》
1 岸壁での送迎ならびに乗下船
2 本船舷側での送迎乗下船
3 ボートでの送迎乗下船
《各種警戒とエスコート業務》
1 碇泊中の危険物積載船ならびに運転不自由船等の警戒業務
2 特定水域内におけるエスコート業務
3 入出港船のエスコート業務
《サンクンビットを使用して行う作業》
1 サンクンビットに曳索を繋ぐときの作業手順
2 作業上(押し曳き)の注意事項
3 サンクンビット装備の船
付 録 遠隔操縦装置の操作図解
《Zペラ》
《レックスペラ》
《シングルレバー式》
《複合レバー式》
プロフィール
岡村 世紀一(おかむら せきいち)
早駒運輸株式会社で40年にわたり乗船勤務。船長として各種のタグボートを操船し、神戸港ならびに瀬戸内海各港においてタグボートの諸業務に従事してきた。
現在は、戦没した船と海員の資料館主任スタッフ、金川造船株式会社試運転船長、海技大学校非常勤講師(タグボート操船シミュレーション)として日々の仕事に勤しむ。