マリンエンジニアリングの基礎
―機関編
日本マリンエンジニアリング学会が、18年にわたり開講してきた技術者継続教育の講習会(機関系と電気系の2つの基礎コース)の講義テキストを加筆修正し、「機関編」、「電気編」の2冊として書籍化。本書は「機関編」。若手技術者の学びと中堅技術者のリカレント教育に最適な内容。
書籍データ
| 発行年月 | 2026年10月 |
| 判型 | B5 |
| ページ数 | 320ページ |
| 定価 | 4,840円(税込) |
| ISBNコード | 978-4-303-30970-1 |
概要
舶用工業界の若手技術者の育成支援を目的として、日本マリンエンジニアリング学会技術者教育委員会は、2006年度に技術者継続教育基礎コースおよび先進コースを開講しました。基礎コースは2023年度まで、先進コースは2022年度まで継続して実施されました。
基礎コースは、開講当初から機関編と電気編の2コース体制で実施されてきました。この18年間に講義テキストの作成および講義を担当してきた、主として民間企業の技術者からなる講師陣の世代交代が進みました。その過程で、新たに講義を担当する講師陣による講義テキストの改訂が継続的に行われ、内容のさらなる充実が図られています。
各コースはそれぞれ独立した内容で構成される一方、両コースに共通する基礎的事項も含まれていました。このため、本書は『マリンエンジニアリングの基礎 ―機関 編』および『マリンエンジニアリングの基礎 ―電気 編』の2シリーズとして刊行し、共通する内容については両シリーズに収録しました。
現代社会においては、人工知能(AI)の急速な発展とその波及により、情報技術が社会のあらゆる分野に浸透しています。しかしながら、今後、人型ロボットが広く活躍する時代が到来したとしても、「ものづくり」の基盤を支える機械系および電気系分野の基礎知識や基本技術の重要性は、今後も変わることがないでしょう。
本シリーズが、若手技術者の基礎知識の修得と技術力の向上に資するとともに、将来の舶用工業界を担う大学生や高等専門学校生の学習と研鑽の一助となることを心より願っています。
(「はじめに」より抜粋)
目次
第1章 熱力学と内燃機関概論
1. はじめに
2. 熱力学の系について
3. 熱力学の第一法則
4. 熱力学の第二法則
5. 内燃機関の基本サイクルと効率
第2章 機関室の概要
1. 推進装置の種類とその適用
2. 機関室内の主な補機器
3. 機関室,機器配置計画
4. 機関室,各種管系統図
5. 機関室,各種装置図
6. その他の機関室設備
7. 機関室自動化計装
8. 機関部の試運転
第3章 ディーゼル船の機関プラント概要
◆概論
1. 船舶推進プラントの種類
2. ディーゼル船機関プラントの分類
3. ディーゼル船機関プラントの特徴
◆各論
4. 機関室配置について
5. 軸系装置について
6. ディーゼル船機関プラントの構成とシステム機能
第4章 ディーゼル機関の基礎
1. 舶用ディーゼル機関の歴史
2. 舶用ディーゼル機関の分類
3. 低速ディーゼル機関の構造
4. 燃料
5. 環境規制
6. その他
第5章 ディーゼル発電機関の基礎
1. はじめに
2. ディーゼル発電機関の基本理論
3. ディーゼル機関の主要構造
4. ディーゼル機関の動作
第6章 機関振動の基礎
1. はじめに
2. ピストン・クランク機構
3. 理論上の燃焼圧力
4. ガス力・慣性力と合成力
5. クランク軸に働く諸力
6. クランク軸に働くトルク
7. シリンダ配置とつりあい(不平衡力)
8. 不平衡力と不平衡偶力
9. クランク軸系のねじり振動制御
10. ねじり振動
11. 実際の機関での強制振動
12. まとめ
第7章 舶用燃料油の基礎
1. はじめに
2. IMOの船舶燃料油の硫黄分規制
3. 石油精製装置の概要
4. 燃料油の製造方法
5. JIS K 2205(重油),ISO 8217規格(国際燃料油規格)
6. 舶用燃料の諸性状の意義と特徴
第8章 舶用エンジン油の基礎
1. 潤滑について
2. 舶用エンジン油の機能と種類
3. 舶用エンジン油の性能とその組成について
4. 潤滑油の性状と使用油の分析
第9章 燃料潤滑油の船内処理の基礎
1. 燃料油及び潤滑油の船内処理の概要
2. 油清浄機の基本仕様
3. 油清浄機の構造
4. 油清浄機のスラッジ排出機構
5. 油清浄機の型番選定
6. 油清浄機の分離原理
7. 油清浄機の運転上の留意点
8. 油清浄機の性能試験評価
9. 油清浄機の保守管理要領
10. 舶用フィルタ
11. その他の燃料油処理装置
12. 2020年以降の規制適合低硫黄燃料油の船内処理について
第10章 船体構造概要
1. 船体構造の設計とその役割
2. 船体の強度
3. 各部構造
4. 振動及び防振設計
第11章 機関制御の基礎
1. 舶用主機遠隔操縦装置とは
2. 大型主機遠隔操縦装置
3. 各機関における制御内容などの相違
4. 安全装置
5. まとめ
第12章 舶用機関の制御機器
1. 概要
2. ガバナ機能及び構造
3. ガバナ機能と制御理論
4. 発電機制御とガバナ制御の関係
5. ディーゼル噴射制御の実際
6. ガスエンジン制御の実際
第13章 船型と船体推進の基礎
1. はじめに
2. 船の抵抗推進性能
3. 船型と抵抗推進性能
4. 省エネルギーデバイス
5. 速力試運転
6. 実海域性能向上
7. おわりに
第14章 軸系・プロペラの基礎
1. 軸系装置の基礎
2. プロペラの基礎
第15章 軸系アライメント
1. はじめに
2. 軸系アライメント計画・設計の手順
3. 軸系アライメント計画・設計に必要な計算手段
4. 軸系アライメント計算におけるモデル化の方法
5. 軸系アライメントの計算条件
6. 軸系アライメント計算結果の評価
7. 軸系アライメント計算書
8. 軸系アライメント計算の例
9. おわりに
第16章 鉄鋼材料の基礎
1. はじめに
2. 材料学の基礎
3. 炭素鋼
4. 高強度の鉄鋼材料
5. 鋼種の選び方
6. おわりに
第17章 溶接技術の基礎
1. 溶接の利害得失と溶接法
2. 溶接部の特徴
3. 溶接継手の強度特性
4. 高張力鋼,高温用鋼,ステンレス鋼の溶接と異材溶接
5. 最近の溶接技術
第18章 非破壊検査技術の基礎
1. 非破壊検査
2. 各非破壊試験の基礎的理論と実例
3. 非破壊試験の比較
4. 日本海事協会の要求事項
第19章 舶用発電機の概要
1. 舶用機器の据付環境
2. 舶用発電機
3. インピーダンスと力率
4. 発電機の構造
5. 励磁方式の種類
6. 絶縁構造
7. 瞬時電圧降下特性
8. 並行運転
9. 軸発電装置
第20章 船内計装システムの概要
1. 計装とは
2. 計測器の構成
3. 様々なプロセス量の計測
4. 船舶の中の計装
5. 計装の注意点
第21章 舶用機関関連法規
1. 船舶に適用される法規
2. 海事関係の国際条約
3. 船級協会の検査
4. NK鋼船規則の機関及び電気設備の要件
第22章 排ガスの計測と規制の動向
1. はじめに
2. 排気中の有害成分とその特性
3. 排ガスの計測方法
4. ディーゼル機関の排ガス浄化対策
5. IMOにおける規制の動向
6. まとめ
