船―引合から解船まで
造船所の船舶技師の立場から、船とはどのように設計、建造運行されてゆくのかを時系列に解説し、その中に出てくる理論や技術の内容などについても説明。単なる手法の紹介や専門用語の単発的な説明ではなく、それらが用いられる背景、全体の中での位置づけや関連性に重点を置き、誰が読んでも分かりやすいように解説。
(発行所:日本船舶海洋工学会/発売元:海文堂出版)
[2020年3月、5版2刷発行]
書籍データ
発行年月 | 2007年9月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 308ページ |
定価 | 2,970円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-52800-3 |
概要
船の引合から建造、廃船までを船の一生にたとえるならば、この一生に船が出会う人の数は膨大なものである。その人々の役割や関与の程度、内容もさまざまで、船会社や造船会社はもとより各種機器メーカー、管海官庁や船級協会、乗組員、旅客、荷役業者、荷主、保険業者など枚挙にいとまがない。このように多くの人が一隻の一生に係わりながらも、その全貌を見渡している人がどのくらいいるだろうか。細分化され専門化されている現代では、そのような人の数は減っているに違いない。そこで、「船―引合から解船まで」と題して、船の一生の間のいろいろな場面で適用される知識や技術に関する解説をする。本書は、主として造船所の船舶技師(造船屋)の立場から、船はどのように設計、建造、運航されてゆくのかということを平易に解説し、その中に出てくる理論や技術の内容などについても説明する。その際、単なる手法の紹介や専門用語の単発的な説明ではなく、それが用いられる背景、全体の中での位置づけや関連性に重点を置き、だれが読んでも分かりやすい解説を目指したい。(「はじめに」より)
目次
《第I部》
第1章 引合から契約まで(1)
1.1 引合の始まり
1.2 船主要求事項
1.3 引合設計・見積設計
1.4 船価見積
1.5 応札
1.6 最後に
第2章 引合から契約まで(2)
2.1 内示
2.2 詳細検討の着手
2.3 船主打合せ
2.4 造船契約
2.5 基本設計の実施
2.6 建造許可申請・入級申請
2.7 詳細設計への引継
第3章 契約から詳細設計まで
3.1 はじめに
3.2 承認申請図
3.3 詳細設計
3.4 各種検査、試験および試運転要領書
3.5 完成図書
第4章 生産計画から艤装工事まで
4.1 生産計画
4.2 現図
4.3 船殻工事
4.4 艤装工事
4.5 塗装
第5章 検査、試運転
5.1 検査の分類
5.2 船殻検査
5.3 船体艤装検査
5.4 機関艤装検査
5.5 電気艤装検査
5.6 重査
5.7 海上試運転
第6章 引き渡しからスクラップまで
6.1 引き渡し
6.2 船舶管理会社
6.3 就航後の本船管理
6.4 検査
6.5 保守管理
6.6 船体構造の保守
6.7 バラストタンク内部腐食の保守
6.8 タンカーのカーゴオイルタンクの腐食と保守
6.9 バルクキャリアの腐食と保守
6.10 機関関係の保守
6.11 事故、海難
6.12 スクラップ
《第II部》
第1章 国際条約・運航
1.1 船舶の安全を規制する国際条約
1.2 船の運航形態とその周辺
第2章 一般
2.1 船舶サイズの通称
2.2 船舶の種別・航行区域など
2.3 排水量・載貨重量・総トン数など
2.4 造船契約
2.5 海上保険
第3章 性能
3.1 線図
3.2 ハイドロ計算
3.3 水槽試験およびCFD
3.4 操縦性能・耐航性能
3.5 馬力推定・自航要素・シーマージン
3.6 省エネ付加物
第4章 構造
4.1 船体構造方式
4.2 船体構造図面
4.3 船体強度
4.4 船体構造材料
4.5 船体振動
第5章 艤装
5.1 腐食、防食
5.2 マーク
5.3 騒音予測
5.4 配管系統図
5.5 居住区配置図
第6章 機関
6.1 主機関
6.2 NOx、SOx対策
第7章 建造
7.1 建造線表
7.2 工作精度(精度基準)
7.3 軽荷重量査定・傾斜試験
7.4 溶接施工法
7.5 非破壊検査
第8章 運航
8.1 復原性資料
8.2 ローディングマニュアル
8.3 運航
8.4 船内の職制と担当業務