<マリタイムカレッジシリーズ>
エクセルで試してわかる数学と物理
エクセルを使った数学や物理の勉強法を一冊にまとめた。CHAPTER 1ではエクセルの使い方について基本から学ぶ。CHAPTER 2ではエクセルを利用しながら数学を、CHAPTER 3では物理を理解できる。CHAPTER 4では商船学に関する専門的な問題をエクセルを活用して解決する例を紹介。将来の研究や仕事などにも役に立つ豊富な内容。
書籍データ
発行年月 | 2014年9月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 280ページ |
定価 | 2,970円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-11542-5 |
概要
船を動かすには、多くの科学的な知識が必要です。船長は航法や船体運動などについて、機関長はエンジンや電気機器などについて、よく知っていなければいけないでしょう。
さらに、これからも科学の発達とともに、船も進化していくでしょうから、どんどん新しい知識も必要になってくることでしょう。ますます高度化していく海上輸送の担い手は、過去の知識だけでなく、未来の技術へ対応していく柔軟な能力も、身につけておいたほうがよいでしょう。
しかしどのような科学技術であれ、数学の定理や、物理の法則によって、理解できるものばかりです。数学や物理の基礎を、しっかりと理解した技術者なら、次々と登場してくる新技術も、すばやく吸収していくことができるのです。いつも最先端の船で、ずっと活躍し続けることができるのです。
ですから、船乗りを目指す商船学科の学生たちには、まずは数学や物理の勉強にがんばってほしいと思います。そして数学や物理が身につくよう、いまのうちに練習問題や実験実習に、繰り返し取り組んでおいてほしいと願います。でも、練習問題は計算に時間がかかるし、実験実習は失敗が怖いですよね。
そこで、パソコンを使って問題を解いたり、パソコンを使って実験を試したりしてみてはどうでしょうか。パソコンを使えば、筆算で手が疲れることもありませんし、操作を誤って怪我をしてしまうこともありません。一人のときでも、何度でも、挑戦してみることができるのです。
そんなパソコンを使った数学や物理の勉強法の例を、この一冊にまとめました。5つの高専の教員たちが持ち寄った、商船学科の学生たちにぴったりの、とっておきの問題や実験ばかりです。
この本のCHAPTER 1からCHAPTER 3までは、情報処理の授業で活用されることを想定し、およそ1節分の内容が1回分の授業に適量となるよう、工夫されたものになっています。
CHAPTER 1では、パソコン用の代表的な表計算ソフトである、エクセルの使い方について、基本から学べるようになっています。パソコンに不慣れな学生も、レポートや論文などで幅広くエクセルを活用できるようになるでしょう。
CHAPTER 2では、エクセルを利用しながら数学を勉強できるようになっています。三角関数や連立方程式の計算法、微分と積分の意味、さらに多量のデータの統計的な分析法を、理解できるようになるでしょう。
CHAPTER 3では、エクセルを利用しながら物理を勉強できるようになっています。コンピュータシミュレーションを納得いくまで体験することで、力学や電気工学、そして熱力学の重要な法則を、理解できるようになるでしょう。
そしてCHAPTER 4では、商船学に関する専門的な問題を、エクセルを活用して解決する例が紹介されています。将来の研究や仕事などにおいて強力な味方になってくれるコンピュータの有用性を、実感することができるでしょう。
各章には練習問題も付属しています。身につくまで何度でも、繰り返しチャレンジできるようになっています。パソコンは道具ですので、使い方を体で覚えることが大切です。数学や物理も、問題解決のための道具のようなものですので、使い慣れることが大切です。(「まえがき」より抜粋)
目次
CHAPTER 1 エクセルを使う
1.1 エクセルの基本操作
1.2 エクセルでの計算方法
1.3 グラフ描画
1.4 ワークシートの機能
1.5 IF関数など
1.6 エクセルの活用
1.7 エクセルの印刷法
1.8 エクセル使用法一覧
1.9 練習問題
CHAPTER 2 エクセルで理解する数学
2.1 ラジアン、三角関数、三角比
2.2 連立方程式
2.3 微分
2.4 積分
2.5 統計処理
2.6 最小2乗法と近似曲線
2.7 練習問題
CHAPTER 3 エクセルで理解する物理
3.1 力と運動
3.2 仕事とエネルギー
3.3 電気回路
3.4 熱と温度
3.5 練習問題
CHAPTER 4 エクセルで解く商船学の問題
4.1 横傾斜(ヒール)と縦傾斜(トリム)
4.2 航法の計算
4.3 誘導電動機のトルク特性の理解
4.4 内燃系、熱系現象の理解
4.5 梁の曲げ応力と船体縦強度
4.6 物理現象の数学モデル(1階線形微分方程式)
4.7 練習問題
プロフィール
CHAPTER 1 内山憲子(広島商船高等専門学校)/西井典子(富山高等専門学校)
CHAPTER 2 岩崎寬希(大島商船高等専門学校)/中谷俊彦(富山高等専門学校)
CHAPTER 3 向瀬紀一郎(弓削商船高等専門学校)/小田 真輝(鳥羽商船高等専門学校)
CHAPTER 4 遠藤真(富山高等専門学校)/岩崎寬希/石田邦光(鳥羽商船高等専門学校)/中谷俊彦/向瀬紀一郎/小田真輝/経田僚昭(富山高等専門学校)
編集幹事 向瀬紀一郎/内山憲子