操船の基礎【二訂版】
船舶運航技術の進歩、海事関連条約の改正などに対応するため、大幅な加除訂正を行った改訂版。基礎知識とその応用について、図を多用し、平易に解説。
[2014年9月、2版発行]
書籍データ
発行年月 | 2012年3月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 192ページ |
定価 | 2,750円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-23942-8 |
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概要
1988年4月に、橋本・矢吹の共著による『操船の基礎』初版が発行され、部分的な加除訂正を行いながら重版を重ねてきましたが、この間の船舶運航技術の進歩、海事関連条約の改正などに対応するため、改訂版を発行することとなりました。
初版本は、少数精鋭の乗り組み体制で運航する近代化船を導入することにより、わが国外航商船隊の国際競争力を維持しようとした船員制度近代化政策における「運航士教育」対応の教材との位置付けで出版されました。このため、船舶運航技術のうち、主として操船に関係する基礎知識とその応用について、船長を志す者はもとより、船橋当直を担当する機関科出身の運航士にもその内容が容易に理解できるよう、つとめて平易に執筆してありました。その後、わが国の船員政策は、外国人船員との混乗により国際競争力を維持する方向に舵を切り、その制度自体は残っているものの運航士教育は取り止めとなりましたが、改訂版の執筆に当たっては、初版本の意図した編集方針を引き継ぎ、図を多用するなど読みやすい操船の参考書として取りまとめることとしました。
現在の外航船員には、海技に関する知識・技能を習得し、船舶の運航現場で実践、応用する力に加え、海技者として外国人船員の教育・訓練を行う指導力が要求されます。本書が、海技者を目指す者に操船に関連する基礎知識を提供する書として海事関係者に迎えられ、船舶の安全かつ効率的な運航に役立つことを願ってやみません。(「はしがき」より)
目次
第1章 舵の働きと操縦性能
1.1 舵に働く力
1.2 操舵に対する船の応答
1.3 旋回運動
1.4 操縦性試験とIMO操縦性基準
1.5 操舵法
第2章 推進機関と操船
2.1 出力と効率
2.2 主機の特性と操船
2.3 プロペラの作用と操船
第3章 速力と惰力
3.1 船の速力
3.2 航走中の船の抵抗
3.3 惰力と停止性能
第4章 操船に及ぼす外力の影響
4.1 風の影響
4.2 流れの影響
4.3 波浪の影響
第5章 水深の浅い水域、幅の狭い水域などが操船に及ぼす影響
5.1 水深の浅い水域が操船に及ぼす影響
5.2 幅の狭い水域が操船に及ぼす影響
5.3 2船間の相互作用
第6章 一般操船
6.1 アプローチ操船と入出港計画
6.2 係岸施設と係船浮標
6.3 錨泊法
6.4 タグの操船上の利用
6.5 サイドスラスタの操船上の利用
6.6 ブイ係留および解纜法
6.7 係岸および離岸法
第7章 特殊運用
7.1 荒天運用
7.2 荒天錨泊
7.3 特殊水域などにおける操船
7.4 海難救助